「ワインには賞味期限がない」
と聞いて、びっくりされる方も多いかもしれません。
ビールや日本酒には賞味期限が設定されていますが、ワインには賞味期限が設定されていません。「寝かせるお酒」としての地位を早くから手に入れていたからでしょうか?
しかし、ウイスキーやブランデーなどの高アルコールなお酒と違って、ワインはほとんどが元ぶどうジュース。
30年経ったぶどうジュースを想像すると…凄まじい悲劇の光景が瞼に浮かびます。
先日、1997年に作られたシャンパン(発泡ワイン)を飲む機会に恵まれたので、気になるその味わいをリポートいたします。


とても貴重な経験でした
結論!24年前のシャンパンの味わいとは
- 美味しいんですか?
-
美味しいんです。
はちみつやブリオッシュなど豊かな香りと旨味に溢れていました。不思議。 - 24年間も待ち望んだ味がするの?
-
微妙なところです。
これを飲むためにいまから24年間おとなしく待てるか…と言われると待てません。 - 炭酸は残ってる?
-
かなり減ってます!
でも24年も経って、まだシュワシュワしているのがすごいくらい。溶け込んでいて非常に細かい炭酸(?)でした。
24年もの熟成を経て、われわれの口の中に入るシャンパンはどんなきもちなのだろう。
1997年の出来事
1997年生まれと聞くと、すごく懐かしい想いがこみ上げてきます。
私は1989年生まれなので、私が8歳の時にこのシャンパンが生まれたということです。
1997年にあった出来事は
- テレビ東京系でアニメ『ポケットモンスター』が放送開始。
- 劇場版名探偵コナン 1作目「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」公開。
- 映画「もののけ姫」(宮崎駿監督)が劇場公開。
- テレビアニメ『ポケットモンスター』第38話を視聴した多数の人が光過敏性発作等を発し病院に搬送。
- トヨタ自動車が世界初の量産ハイブリッド専用車「プリウス」を発売
初代プリウスと同級生のシャンパンだったのですね。驚きです。
しかし、8歳だった私はもちろんなにも覚えていません。当時ポケモンを見ていた私はポリゴンがポケモンショックを起こしたことだけは覚えています。
さて、劇場版コナンが30作を超えるまで熟成させることにどれだけのメリットがあるのでしょうか?

コナンの映画は毎年見ちゃいますね。
熟成の魅力とは
「ワインを熟成させる」にはメリットとロマン、そしてリスクが伴います。
メリット
熟成によってしか出ない風味がある
リスク
ワインの風味は長い熟成を経て、変質していきます。複雑な成分の重合や酸化をして、独特の風味を作り上げるのです。
もちろん、喜ばしい変化ばかりではありません。酸化や微生物による汚染によって、好ましくない風味が発生することもしばしばあります。

ただ"熟成させればよい"わけではないので、注意が必要ですね。
熟成で現れる風味
上記のような香りがふんだんに表れ、複雑な風味へと変化していきます。
これらの風味を存分に味わえるのは熟成シャンパンならではの感動です。
もう飲むことが出来ないというロマン
これも熟成によって得られる大きな効果だと個人的に思っております。
生産者によっては数千本程度しか作らないワインも多く存在します。20年も経てば、おおよその人がすでにワインを飲み、世の中に存在しているそのワインの数はごくわずか。
もちろん、再購入することも非常に難しいです。
その「もう飲めないかもしれない」気持ちがロマンというスパイスを添えてくれます。たぶん。

ちなみに味わいは常に変化しているので、いつ飲んでも一期一会に変わりはありません。
ワインの中でもシャンパンは長熟タイプ
シャンパンはほかのスティルワインと比べて長期熟成に向いていると言われています。
それはなぜか?
もともとある程度の熟成期間を想定して作られているからです。シャンパンの熟成期間は短くても12ヶ月、長いもので3年や5年にもなります。
また、冷涼な気候のおかげでぶどうが生理的成熟を迎えても、糖は上がりきらず、酸が多く残っている状態で収穫することが可能です。
酸が多く残っているワインは長い熟成に耐えうると考えられています。

熟成シャンパンのすゝめ
そんなこんなで24年前のシャンパンも美味しく飲むことが出来ます。
24年前のことを思い出しながら、仲間と飲むシャンパンも素敵ですね。やはり熟成シャンパンのお値段はなかなか強烈ですが、機会があったら試してみるのもおすすめ。
長ーい年月を育ってきた味わいに感動する、そんな体験をしてみてはいかがでしょうか。
比較的お買い得なシャンパンもあるので、紹介しておきます。(売り切れていたらごめんなさい)
意外とお手頃!?
それではよいワイン時間を
