ブルゴーニュワインとは
フランス・ブルゴーニュ地方で作られたワイン全般を指し、ブルゴーニュワインと呼ばれることがあります。世界屈指の銘醸地であり、ワイン愛好家であればその名を知らない人はいないと言っても過言ではありません。
今回の記事では「ブルゴーニュワイン」の基本が初心者でもわかるよう、簡潔に大枠を解説しております。いくつかのポイントを抑え、さらにワインを楽しんでもらうことを目的に書いてあります。
このブルゴーニュワインの記事をきっかけにブルゴーニュの魅力にハマっていただけるとうれしいです。ぜひ最後までご覧ください。
ワインの銘醸地ブルゴーニュ
世界には数多くのワインの銘醸地があります。最も有名なフランスをはじめ、イタリア、スペイン、アメリカ、チリ…など今でもなお増え続けています。
ブルゴーニュワインはワイン大国として有名なフランス国内のブルゴーニュ地方というエリアで作られます。フランス国内にはボルドーやシャンパーニュなどワインの銘醸地がたくさんがありますが、そのうちのひとつが「ブルゴーニュ」と呼ばれるエリアです。
日本では多くの人が耳にしたことがあるボジョレー・ヌーヴォーも「ブルゴーニュワイン」のひとつなのです。
ブルゴーニュ地方はどこにあるの?
ブルゴーニュ地方の位置はフランス北東部。マルセイユに並んでフランス第二の都市と呼ばれるリヨン周辺からディジョン周辺までが主なワインを生産するエリアです。ブルゴーニュのなかでもコート・ドール(黄金の丘)と呼ばれる南北に約60kmほど広がるエリアは4世紀頃から銘醸地として知られ、愛されてきました。
ブルゴーニュワインの特徴
ブルゴーニュワインの最大の特徴は単一品種(1種類のぶどうだけ)でワインが作られることです。
フランスの他産地ではカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをブレンド(ボルドー)したり、13種類のぶどうを使うことが認められていたり(ローヌ)します。
ブルゴーニュの主要品種はピノ・ノワール(赤ワイン)とシャルドネ(白ワイン)とされており、ともに品質の高いワインが作られています。主要品種の他にもガメイやアリゴテなどの品種も近年、注目を集めています。
ブルゴーニュのもう一つの特徴は「ミクロクリマ」と呼ばれる複雑で多彩な土壌条件を持っていることです。数メートルの道を1本挟んだだけで、まったく畑の個性が異なるということがあります。そのため、単一品種でワインを仕上げても「土地の個性」が良く表れることが魅力のひとつとなっています。ブルゴーニュの畑はかなり細かく区画されており、すべてを把握するのは困難なのですが、自分の好きなエリアや畑を見つけるとより楽しく飲むことが出来ると思います。
ブルゴーニュの主なぶどう品種
赤ワイン用(黒ぶどう)
ピノ・ノワール、ガメイ
白ワイン用(白ぶどう)
シャルドネ、アリゴテ
ブルゴーニュワインの覚えたおきたい6つのエリア
ブルゴーニュワインは大きく6つのエリアに分かれています。
- シャブリ地区
- コート・ド・ニュイ地区
- コート・ド・ボーヌ地区
- コート・ド・シャロネーズ地区
- マコネ地区
- ボジョレー地区
主にこの6つに分けることが可能です。最も有名な地区はコート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区であり、ロマネ・コンティなどの世界最高峰の赤ワインやモンラッシェと呼ばれる白ワインを作っています。
簡単な特徴を各エリアごとにまとめました。
シャブリ地区
辛口白ワインの代名詞としてたびたび耳にするシャブリ。きりっとした辛口の白ワインのイメージが強いと思いますが、まさに白ワインの銘醸地。キンメリジャンと呼ばれる牡蠣の化石を含む土壌から作られるワインは世界的な知名度も高く、有名なワインです。
上位クラスのシャブリになると爽やかな辛口ではなく、熟成に耐えうる力強いワインが多く作られています。
コート・ド・ニュイ地区
コート・ドールの北側を構成するエリア。ブルゴーニュを銘醸地として知らしめているのはこのエリアと言ってもいいほどに、世界最高峰の赤ワインを産出しているコート・ド・ニュイ地区。
熱烈なファンを持つ、ロマネ・コンティやブルゴーニュの神様と呼ばれるアンリ・ジャイエなどがワインを作っているエリアです。ピノ・ノワールの適地として知られています。
コート・ド・ボーヌ地区
コート・ドールの南側を構成するエリア。コート・ド・ニュイに並んで、ブルゴーニュを代表するエリアの1つです。コート・ド・ニュイとは対照的に白ワインの銘醸地として知られています。
なかでも最高品質と言われるモンラッシェやムルソーなどのワインが有名です。
また、赤ワインも品質の高いものが多く、価格もコート・ド・ニュイ地区に比べるとお手頃なのでコストパフォーマンスにも優れています。
コート・ド・シャロネーズ地区
コート・ド・ボーヌ地区に続くエリア。コート・ドールのワインに比べ、早くから楽しめるカジュアルスタイルのワインが多い産地。ピノ・ノワールやシャルドネのほかにも、アリゴテやガメイなどが栽培されています。
なかでもブーズロンというエリアのアリゴテで作る白ワインは注目を集めています。
マコネ地区
コート・ド・シャロネーズ地区の南側に広がるエリア。コート・ドールよりもやや温暖な気候はシャルドネの適地と言われています。
全体の生産量の85%は白ワイン。ブルゴーニュ全体を見ても約1/3の白ワインがマコネ地区で作られています。ワイン名になると「マコン」という名前になります。
耳にしたことがあるかもしれませんが、ボジョレーヌーヴォーと同時期に売り出されるマコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーもこの地区のワインです。
ボジョレー地区
ボジョレーヌーヴォーでおなじみの産地。ブルゴーニュ地方では最南端に位置するエリアです。主要なぶどう品種はガメイ。世界のガメイの生産量の半分以上を占めているガメイの一大産地です。
基本的なボジョレーのワインの特徴はフレッシュ&フルーティ。しかし、上級なものは熟成にも耐えうるポテンシャルを持つワインがあります。熟成したガメイもまた魅力的です。
ブルゴーニュのおすすめワイン
エティエンヌ・ソゼ ブルゴーニュブラン2018
世界から注目されているブルゴーニュの名手の1人であり、モンラッシェなどの銘醸畑からワインを生み出すエティエンヌ・ソゼ。
彼のワインは緻密な作りとぶどうのポテンシャルの高さが良く感じ取れます。ブルゴーニュのシャルドネの魅力が詰まった1本です。
ブルゴーニュワインの当たり年
収穫年 | 評価 |
---|---|
1990 | ◎ 素晴らしい年 |
1991 | ○ とても良い年 |
1992 | 良い年 |
1993 | ○ とても良い年 |
1994 | 良い年 |
1995 | ○とても良い年 |
1996 | ○ とても良い年 |
1997 | 良い年 |
1998 | ○ とても良い年 |
1999 | ◎ 素晴らしい年 |
2000 | 良い年 |
90年代のブルゴーニュの飲み比べをしてみる
90年代のワインを飲み比べてみました。飲み比べに使用したのはル・デュモンの仲田さんがセクションした「蔵出し古酒シリーズ」のレアセレクション ブルゴーニュです。
- ル・デュモン レアセレクション1996
- ル・デュモン レアセレクション1997
- ル・デュモン レアセレクション1998
上記3つのヴィンテージ。
ル・デュモン レアセレクション ブルゴーニュ 1996
ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ氏も認めたルー・デュモンの仲田氏が様々な生産者を訪ね歩き、見つけた蔵出しの古酒シリーズ。
生産者は非公開のため、不明。
テイスティングコメント
オレンジ色を帯びたルビー。クリアである。香りのボリューム控えめではあるものの、淡い紅茶、プラム、梅が香る。アーモンドやシェリーの香りもわずかに感じる。密の雰囲気も。ボトル差はあるが、酸化のニュアンスは思ったより少ない。(2本中1本はシェリー香がもう少し強かった)
味わいは熟成を経た酸をしっかり感じ、そのあとに控えめなタンニンと旨味が訪れる。プラムのようなアンズジャムのような梅ジャムのような味わい。余韻は中程度。ボトムの液体は細かいタンニン(オリ)で濁っている。
豚肉のシソ巻きやささみの梅肉和えが食べたくなる印象。レアセレクションブルゴーニュルージュ1996はレアセレクションブルゴーニュルージュ1998と似ている。同じ生産者だろうか。
ル・デュモン レアセレクション ブルゴーニュ 1997
ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ氏も認めたルー・デュモンの仲田氏が様々な生産者を訪ね歩き、見つけた蔵出しの古酒シリーズ。
生産者は非公開のため、不明。
テイスティングコメント
中心に紫が残ったルビー。1996よりも紫が濃く、若々しい印象。香りはなめし皮やプラム。スモークさやたばこの香りも。
味わいは96と同様、熟成を経た高い酸と細かいタンニン。やや収斂性があり、口中を引き締める。余韻はやや長い。上記のレアセレクションブルゴーニュルージュ1996年とは趣が違い、抽出が強い印象。醸造アプローチの違いを感じる。ボトムの液体は細かいタンニン(オリ)で濁っている。
レバーやパテドカンパーニュが食べたくなる印象。
ル・デュモン レアセレクション ブルゴーニュ 1998
ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ氏も認めたルー・デュモンの仲田氏が様々な生産者を訪ね歩き、見つけた蔵出しの古酒シリーズ。
生産者は非公開のため、不明。
テイスティングコメント
ややオレンジがかったルビー。1996よりは赤い。香りはスミレや淡い紅茶。レアセレクションブルゴーニュルージュ1996の雰囲気に似ている。
味わいは高い酸と赤い果実と花の密やスミレ、少なめのタンニンと旨味。最も花の印象が強い。バランスが取れていて飲みやすい印象。余韻はやや長い。ボトムの液体は細かいタンニン(オリ)で濁っている。
まとめ
ここまでブルゴーニュワインとはどんなワインかを中心に解説してきました。複雑なブルゴーニュワインの基礎を簡潔に紹介した内容ですが、興味を持った方はさらにブルゴーニュの畑や生産者を調べてみてくださいね。きっとブルゴーニュワインの深みにハマっていくと思います。
これまでに紹介した内容を覚えるだけで、ワインレベルはぐっと上がるはず。ブルゴーニュワインを飲みながら覚えてみるのも素敵ですね。
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